配信を使用すると、スタジオで送受信したファイルとデータをトラックできます。多くのスタジオではこのことを単にインおよびアウト(I/O)と呼んでいます。配信は、何がいつどこで送信されるかをトラックする出荷ログであると考えてください。一般的な例として、ライブ アクション撮影からスタジオに送信されるプレートやリファレンス、あるいはクライアント、パートナー スタジオ、または外部委託に送信するデータのトラッキングがあります。
配信をセットアップする(管理者用)
次に、管理者による配信のセットアップを具体的に説明します。
手順 1: 配信を有効にする
管理者は [サイト基本設定](Site Preferences)から配信エンティティを有効にできます。
上記の図をクリックすると拡大します。
[エンティティ](Entities)から配信(Delivery)を選択します。[はい、エンティティを有効にします](Yes, enable entity)を選択します。
手順 2: アドレス ブックをセットアップする
配信の宛先と送信元をユーザまたはグループに設定できます。配信の宛先指定に使用する会社またはユーザのアカウントを作成できます。この操作のためにアカウントを追加購入したくない場合は、アカウント ステータスを[無効](Disabled)に設定します。これにより、[宛先](To)と[差出人](From)のフィールドにそのアカウントを引き続き指定できますが、そのユーザが Shotgun にログインすることはできません。権限が制限された外部クライアントまたはベンダーのサイトから制限付きデータへのアクセスは、当社のロードマップには示されていますがまだサポートされていません。
手順 3: 配信用電子メール通知の既定値を設定する
[サイト基本設定](Site Preferences)ページの [電子メールのレイアウトとユーザ既定値](Email Layouts and User Defaults)セクションでユーザに最適な設定を作成します。
サンプル配信ページ
次に、配信のリスト ページと詳細ページのサンプルを示します。リスト ページには数多くの配信が表示され、詳細ページにはある特定の配信のビューが表示されます。
配信リスト ページに共通するフィールドは次の通りです。
- 配信番号、または[タイトル](Title): クリックすると配信の詳細と会話のスレッドが表示されます。
- [差出人](From)、[宛先](To)、[Cc](Cc) フィールド: メンバーまたはグループに対する配信のアドレスを設定します。この配信のコメントはこれらのユーザに電子メールで送信されます。
- [ステータス](Status): 既定のステータスは、Delivered、In Progress、Open、および Received です。
- [終了日](Due Date)と[受信日](Received Date): 配信の予想される日付と実際の日付をトラックします。
- [配信方法](Delivery Method): 各配信の方法、タイプ、およびその他の詳細をトラックします。
配信番号、または[タイトル](Title)フィールドをクリックすると、その詳細ページが表示されます。
注: 詳細ページはカスタマイズすることができます。
- コンテンツ: 配信されたファイルがリストされるテキスト フィールドです。簡単に検索できます。
- 返信: 配信に関するやり取りを管理して問題を解決するための返信スレッドです。それぞれの返信ごとに、配信先のすべての人([宛先](To)、[Cc](Cc)、[差出人](From))に電子メールを送信します。
- サイドバー: 関連情報を表示します(管理者がカスタマイズ可能)。
新しい配信を作成する
新しい配信を作成するには、任意の配信ページで[+]ボタンをクリックします。フォームがページ上部に次のように重ねて表示されます(管理者が設定可能)。
既読と未読
すべての配信には、配信を確認する各ユーザの電子メールと同じように機能する特別な[既読](Read)と[未読](Unread)のフィールドがあります。次にその方法を説明します。
- 配信を作成すると、[既読/未読](Read/Unread)フィールドが自動的に[既読](Read)に設定されます(ユーザはまだこのフィールドを確認していないため、配信では[未読](Unread)フィールドとして表示されます)。
- 配信リンクをクリックして詳細ページに移動すると、配信の[既読/未読](Read/Unread)フィールドが[既読](Read)に変わります。
- 各ユーザは[既読/未読](Read/Unread)フィールドを手動で設定できます。これが影響するのはユーザ自身のこの値のみです。
- 各配信の横にあるエンティティ アイコンは、既読と未読のフィールドに基づいて色付けまたはグレー表示されます。
-
[未読](Unread)
-
[既読](Read)
-
ステータス
[ステータス](Status)フィールドを使用すると、配信ワークフローを管理できます。既定値は次のとおりです。
データが 1 つの場所を離れた場合に Delivered を使用できます。受信場所にデータが到着し、エラーがないことが確認されたら、Received を使用できます。
注: このフィールドは他のステータス フィールドのように編集可能なため、必要に応じて管理者が設定できます。
配信方法
[配信方法](Delivery Method)ドロップダウン リストには 4 つの既定値(FTP、Aspera、FedEx、および Sneaker Net)が含まれます。別のメソッドを追加する場合、[配信方法](Delivery Method)列ヘッダを右クリックし、[フィールドを設定](Configure Field)を選択します。
注: 配信では、FTP または Aspera への項目の送受信は自動的に行われません。品質管理の場合、ファイルの送信前にデータが正しいことを確認し、項目が配信または受信されたかどうかを[ステータス](Status)フィールドで示します。
電子メール通知
電子メール通知は、配信の作成時または返信の追加時に送信されます。電子メールを受信するユーザは、[差出人](From)、[宛先](To)、および[Cc](Cc)フィールド内のユーザ、または配信に対する返信を作成したユーザです。各ユーザは、すべての Shotgun ページの右上隅にある [アカウント設定](Account Settings)リンクから[電子メール通知](Email Notifications)ページに移動して、この電子メールのオンとオフを切り替えることができます。
[アカウント設定](Account Settings)では、電子メール通知の設定、プロファイル画像のアップロード、およびパスワードの変更を行うことができます。
電子メール通知にはいくつかの注意事項があります。
- 既定では、マネージャと管理者はあらゆるプロジェクトの「あらゆる」配信を表示できるため、すべての配信の電子メールを受信できます(すべての配信の電子メールに登録した場合)。
- アーティストが配信で電子メール通知を受信するためには、この配信のプロジェクトにリンクされる必要があります
- 無効にされたユーザ アカウントと削除されたユーザ アカウントは、どんな電子メール通知も受信しません(配信を含む)。
管理者は、[ユーザ](People)ページのフィールド値を直接編集することでこの設定を修正できます。このような電子メール通知のチェックボックス フィールドは、該当するエンティティがオンの場合にのみ表示されます。
サンプル ワークフロー
- ファイルを Aspera に手動でアップロードします。
- 新しい配信を作成したり、配信の詳細ページを更新して、説明とコンテンツのフィールドを入力します。
- 簡単な説明を入力すると、Aspera にアップロードされたファイルがコンテンツ フィールドにリストされます。
- ファイルの Aspera サーバ上の格納場所とファイルの合計サイズを追加します。
- ショットのデータを含む PDF など、zip ファイルを添付します。これにより、電子メール通知のスレッドにも簡単に返信できます。このようなファイルは Shotgun に保存されるため、機密性の高いダウンロード ファイルのセキュリティを向上できます。
- 注: これは、QuickTime リファレンス ファイルのような大きなファイルよりも小さなファイルに最適です。
- 例: ターンオーバーを配信します。ダウンロードするスキャン、カウント シート、ターンオーバー ドキュメントを配信に追加し、フル解像度のファイル用に Aspera を使用します。
上級者向けのヒント: 配信のタイトルには一貫した命名規則を使用します。たとえば、プロダクションへの配信には 20160301_vendor_01 (<日付>_<ベンダー名>_<その日の配信番号>)などの名前を付けることができます。
詳細なワークフロー アイデア
- ミーティングで要求があれば、配信を事前にスケジュール設定できます。
- たとえば、プロダクション デザイナーが特定の日付にいくつかのリファレンスを送信する場合、新しい配信を作成できます。
- また、クライアントやパートナーのスタジオで予想される特定のターンオーバーをスケジュール設定するために配信を作成することもできます。これにより、簡単にトラックできる「todo」リストが作成されます。これには、[終了日](Due Date)フィールドを使用します。
- 配信を手動で入力する場合、配信に含まれるフォルダ内のファイルのリストを[コンテンツ](Contents)フィールドに簡単に貼り付けることができます。
- このためには、ディレクトリを開いて、すべてのファイルを選択し、クリップボードにそのファイルをコピーします(Mac OSX)。
- 次に Shotgun に移動して、フィールドに貼り付けます。すべてのファイル名のリストが貼り付けられます。
- これにより、配信全体で特定のファイルまたは命名規則に沿った項目を簡単に検索できます。(また、I/O 処理の一部を自動化するスクリプトを使用する場合は、Shotgun API を介して自動的に実行することもできます。)
- 配信に含まれるショット、アセット、またはバージョンの配信でマルチエンティティ リンクを作成します。
- ショットまたはアセットが含まれるすべての配信をトラックできます。各配信では、含まれるすべてのショットとアセットを表示できます。
- 関連するすべての配信を表示するショットまたはアセットの詳細ページで[配信](Deliveries)タブを作成することを検討します。
既定の配信フィールド
次に、配信で一般的に使用する既定のフィールドのリストを示します。
- [プロジェクト](Project): 配信に関連付けられたプロジェクトです。
- [配信番号](Delivery #): システムによって自動的に作成されます。
- [タイトル](Title): 電子メールの件名に似ています。配信の目的についての短い説明です。
- [コンテンツ](Contents): 配信の内容を表示するテキスト フィールドです。
- [配信方法](Delivery Method): FTP、FedEx、Aspera、Sneaker Net を含むドロップダウン リストです。
- [説明](Description): 配信、その内容、目的などを詳細に説明したものです。電子メールの本文に似ています。
- [差出人](From): 配信元の単一のユーザまたはグループです。これは、Shotgun にアカウントを持つユーザである必要があります。アカウントは無効になっていてもかまいません。
- [宛先](To): 1 つまたは複数のメンバーまたはグループです。
- [Cc](Cc): 1 つまたは複数のメンバーまたはグループです。
- [終了日](Due Date): 配信の予想日を示す日付フィールドです。
- [受信日](Received Date): 配信を受信した日を示す日付フィールドです。
- [既読](Read)と[未読](Unread): 配信の作成以降または新しい返信の追加以降、配信を表示している現在のユーザが詳細ページを確認したかどうかを示します。
- [ステータス](Status): Open、In Progress、Delivered、Received などです。
- [添付ファイル](Attachments): 返信に添付されるファイルです。
- [タグ](Tags): 1 つまたは複数のキーワードです。
- [サムネイル](Thumbnail): 配信を表すイメージで、手動または API を介してアップロードする必要があります。
上級者向けのヒント: Type フィールドを使用すると、ターンオーバーやベンダーの返信など、さまざまなタイプの配信をトラックできます。