プロジェクト「Hyperspace Madness」では、編集部門がすべての編集情報をトラックし、この情報をチーム全体で共有するだけでなく、コンテキスト内レビューの基礎も作成する必要があります。いくつかの手順を実行すれば、編集部門は Import Cut アプリを介して Shotgun でこのカットを簡単に作成できます。
プロジェクトでカットを使用するのが重要な理由は何でしょうか? 次のような理由があります。
- アーティストがコンテキスト内で作業を表示できます。
- ショット レベルで情報をトラックできます。
- ショットを簡単に作成し、後でショットを簡単に除外できます。
- ショットが除外されると、Shotgun がそのようなショットの変更のカットと期間を認識し、アーティストが適切なデータに対して作業できるように通知します。そのため、Shotgun に最新のカット情報([カット(イン)](Cut In)、[カット(アウト)](Cut Out)、[ヘッド(イン)](Head In)、[テール(アウト)](Tail Out))が常に表示されていることが期待できます。
- 最新の編集情報でステータスを最新の状態に維持することができます。
- アーティストがレビュー用に作業を送信すると、編集チームがセットアップしなくても、クライアントがコンテキスト内レビューを行ってカットを正しく評価できます。ブラウザから、または RV でネイティブにフィードバックをタイムリーに送受信して、最新のバージョンをコンテキスト内で動的に確認できます。
いくつかの基本事項を確認してから、Import Cut アプリの使用に関する手順を説明します。
注: サンプル情報を使用して Import Cut アプリを試すには、サンプルの「Hyperspace Madness」ムービー、イメージ シーケンス、対応するベース レイヤ ムービーを含む EDL をダウンロードしてください。
EDL の基本
EDL (Edit Decision List、編集判断リスト)は編集情報が含まれるファイルで、編集に関係するあらゆるデータが含まれています。Avid、Premiere、Final Cut Pro、Flame、Baselight などで EDL が生成されます。プロジェクト「Hyperspace Madness」の場合、Avid を使用して EDL を生成します。このチュートリアルでは、Shotgun での新しいカットの読み込み方法とカットの更新方法について説明します。
EDL には次の項目が含まれます。
-
名前(TITLE): このタイトルが、Shotgun に読み込まれた後にカット名として使用されます。
- フレーム コード モード(FCM): ノンドロップ フレーム
注: Shotgun はノンドロップ フレーム(正確なフレーム レート)のみをサポートします。ドロップ フレーム(ブロードキャスト フレーム レート)仕様は、読み込み時にエラー メッセージを生成します。
- カット項目: TITLE と FCM の下にある各行は、読み込まれると Shotgun のカット項目になります。
- 各カット項目には 4 つの数値が指定されています。
- 最初の 2 つの数値はクリップ名の入力ポイントと出力ポイントのタイムコードです。
- 最後の 2 つの数値はシーケンス全体のタイムコードです。
- クリップ名(*FROM CLIP NAME): クリップ名は Shotgun のバージョン名に対応しています。この仕組みの詳細については、「EDL イベントとショットを関連付ける」を参照してください。
Import Cut アプリを使用して EDL を読み込む
「Hyperspace Madness」の編集部門は、チームがプロジェクトの共同作業を開始できるように、最新のカット情報すべてを設定して Shotgun でショットを作成します。シーケンス別の EDL ファイルごとにこのショットを作成します。対応するカット情報を設定してすべてのショットを作成したら、Import Cut アプリを使用してカット情報を維持および更新できます。
手順 1: カットを Shotgun に読み込むには、RV を開いて SG Review > Import Cut を選択します。Shotgun で最新の RV をダウンロードするには、最初にここの指示を実行してください。
手順 2: 次に .edl ファイルを Import Cut アプリにドラッグして Next をクリックします。
注: EDL を含む QuickTime ムービー(.mov ファイル)をドラッグすることもできます。VFX 以外のショットのベース レイヤのように動作します。
手順 3: 次に、カットのプロジェクトを選択します。
手順 4: それから「Hyperspace Madness」のシーケンスを準備します(またはカットのリンク先の項目)。
- 上部のバーには、カットのリンク先の項目が表示されます。これはカットのフィールド設定に基づいています(Cuts > Link field)。
- 「Hyperspace Madness」には JRUN シーケンスを選択します。
注: 新しいカットを読み込むと、読み込むカット情報の概要がショットごとに区切られて表示されます。これは初めて読み込むカットであり、Shotgun に比較対象がないため、読み込んだショットは「New in Cut」になります。また、読み込み時に Shotgun で新しいショットも作成されます。
手順 5: Import Cut を選択すると、Import Cut 送信ダイアログが表示されるため、そのカットに関して Shotgun に表示される次のフィールドを更新します。
- Title: EDL の TITLE から取得されます(上述のとおり)。
- From (編集不可): カットを読み込むユーザがここで指定されます。
-
To: 選択すると、Shotgun のグループに詳細を送信します(サポートされるのはグループのみ)。読み込み時、Shotgun でノートが作成され、このグループに送られます。
-
Summary (編集不可):
- Total Shots
- New
- Omitted
- Reinstated
- Cut Changes
- Rescan Needed
- Repeated
- 注: ショットがカットに複数回表示される場合、Import Cut はそれぞれの表示箇所を検出し、それに応じてショットのカット フィールドを設定します。[カット(イン)](Cut In)は入力 EDL に含まれるショットの表示箇所のうち最初のフレーム値に設定され、[カット(アウト)](Cut Out)はショットの表示箇所のうち最後のフレーム値に設定されます。これにより、カット内に含まれるショットの表示箇所すべてをカバーするフレーム範囲が得られます。
注: Update Cut fields on Shot を選択できます。このオプションにより、カットで読み込まれるすべての情報が取得され、ショットにも適用されます。シーケンスにすべてのショットを読み込む場合に最適です。ただし、トレーラのカットを読み込む場合、ショット カット情報([カット(イン)](Cut In)、[カット(アウト)](Cut Out)、[ヘッド(イン)](Head In)、[テール(アウト)](Tail Out))に影響を与えないようにするため、このボックスはオフにしてください。
手順 6: ここで Import Cut を選択し、進行状況バーを確認すると、操作は完了します。カットの読み込みが成功すると、Cut Imported 画面が表示されます。View in Shotgun を選択すると、メディア アプリのカットに移動します。
カットを更新する
「Hyperspace Madness」の編集チームがクライアントからカット情報の更新を受信しました。チームが、カットの変更、除外されたショット、新しいショットなどを認識できるように、Shotgun でこの更新情報をすばやく取得する方法が必要です。また、クライアントは、Import Cut アプリで自動的に検出されるロケータ ノートも(Avid から)追加しています。
手順 1: JRUN シーケンスについて、更新したカットを Shotgun に読み込むには、クライアントから受領した .edl ファイルを Import Cut アプリにドラッグします。
手順 2: 次に、カットが含まれるプロジェクトを選択し、カットの初回読み込み時のクライアントと同じ作業を実行します。
手順 3: それから、カットをリンクするシーケンス(JRUN)を選択して、シーケンスを準備します。
手順 4: ここで、更新したカットと比較するために前のカットを選択できます(Skip を選択すると、カットの比較を省略できます)。
手順 5: 比較すると、読み込まれるカットの概要とカットの変更内容が一緒に表示されます。新しいショットは緑色、除外されたショットは赤色、フレーム値に対するカットの変更は赤色になります。上部のバーからこれらの変更内容をフィルタすることができます。
- Total: シーケンス内の合計ショット数です。
- New: 更新により Shotgun で作成される新しいショットです。
- Omitted: 除外されたショットのステータスを Omitted に更新できます。
- Reinstated: ショットのステータスを Omitted から前のステータスに更新できます(以下の設定も参照)。
- Cut Changes: 作成される新しいショット、Head trims や Tail trims などのカット変更情報をまとめて表示します。
- Rescan Needed: カットの変更により、ショットを再スキャンする必要があるかどうかを示します。
手順 6: Import Cut を選択します。
注: これは前のセクションの手順 5 と同じです。
Import Cut 送信ダイアログが表示され、そのカットに関して Shotgun に表示される次のフィールドを更新できます。
- Title: EDL の TITLE から取得されます(上述のとおり)。
- From (編集不可): カットを読み込むユーザがここで指定されます。
-
To: 選択すると、Shotgun のグループに詳細を送信します(サポートされるのはグループのみ)。読み込み時、Shotgun でノートが作成され、このグループに送られます。
-
Summary (編集不可):
- Total Shots
- New
- Omitted
- Reinstated
- Cut Changes
- Rescan Needed
- Repeated
- 注: ショットがカットに複数回表示される場合、Import Cut はそれぞれの表示箇所を検出し、それに応じてショットのカット フィールドを設定します。[カット(イン)](Cut In)は入力 EDL に含まれるショットの表示箇所のうち最初のフレーム値に設定され、[カット(アウト)](Cut Out)はショットの表示箇所のうち最後のフレーム値に設定されます。これにより、カット内に含まれるショットの表示箇所すべてをカバーするフレーム範囲が得られます。
注: Update Cut fields on Shot を選択できます。このオプションにより、カットで読み込まれるすべての情報が取得され、ショットにも適用されます。シーケンスにすべてのショットを読み込む場合に最適です。ただし、トレーラのカットを読み込む場合、ショット カット情報([カット(イン)](Cut In)、[カット(アウト)](Cut Out)、[ヘッド(イン)](Head In)、[テール(アウト)](Tail Out))に影響を与えないようにするため、このボックスはオフにしてください。
手順 7: Import Cut を選択して進行状況バーを確認すれば完了です。カットの読み込みが成功すると、Cut Imported 画面が表示されます。View in Shotgun を選択すると、先ほど作成したメディア アプリの Cut Revision に移動します。
注: カット名(およびリビジョン)はすべて EDL ファイルのタイトルに基づいています。タイトルが同じ場合は段階的にリビジョンが作成されます。タイトルが異なる場合は、リビジョン番号がリセットされます。
設定
Import Cut アプリの右上にある歯車メニューを使用すると、このアプリの設定にアクセスできます。General と Timecode/Frames の 2 つのカテゴリがあります。
General 設定
Import Cut アプリの General 設定を調整するには、「Import Cut の詳細: ショット情報を更新する」を参照してください。
Timecode/Frames 設定
Timecode
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Default Frame Rate: 読み込むマテリアルを設定するための既定のフレーム レートを設定できます。
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Timecode to Frame Mapping:
- Absolute モード: EDL のタイムコード値をフレーム レートに基づいたフレームとして直接マップします。たとえば、24fps の場合、00:00:01:00 = フレーム 24 です。
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Automatic モード: EDL のタイムコード値を Shotgun のショットの[ヘッド(イン)](Head In)値にマップします。このフィールドが空の場合は、新しいショット用に設定された既定の[ヘッド(イン)](Head In)値が使用されます。つまり、Shotgun でショットの[ヘッド(イン)](Head In)の指定から動的にオフセットします。
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Relative モード: EDL のタイムコード値を特定のタイムコードとフレームの関係に基づいたフレームにマップします。
- Timecode Mapping: フレーム マッピングにマップするタイムコードを指定します。
- Frame Mapping: 開始フレームをオフセットする場合に指定できます。たとえば、一般的なオフセット値は 1000 です。プリロール、先頭拡張、整列シミュレーションなどがある場合、開始フレームは 1000 です。
New Shots
- Shotgun で新しいショットを作成する場合、アプリは開始フレームにこの値を使用して、次の項目を処理します。
- Default Head Duration
- Default Tail Duration
カットのコンテキスト内で再生およびレビューする
詳細については、「カットのコンテキスト内で再生およびレビューする」を参照してください。
追加情報と詳細情報
Import Cut アプリの詳細については、次のドキュメントを参照してください。
よくある質問、エラー、トラブルシューティング
フレーム レートの不一致
Shotgun は既定のフレーム レートをサポートしますが、Default Frame Rate 設定外のタイムコードを読み込むと、エラーが表示されます。たとえば、アプリ設定で Default Frame Rate が 24 FPS に設定されているとします。読み込む EDL のフレーム レートが(00:00:02:29 のように) 29 FPS の場合、読み込み時に「Invalid Frame value 29, it must be smaller than the specified frame rate (24fps)」というエラーが表示されます。このエラー レポートは、フレーム レートが間違っている EDL ファイルと行も示します。これを修正するには、アプリ設定の Default Frame Rate を調整します。
カットにリンクする
カットは、シーケンス、シーン、エピソードなど、1 つの項目にリンクできます。Import Cut アプリを使用すると、上部のバーにカットをリンクできる項目が表示されます。これはカットのフィールド設定に基づいています(Cuts > Link field)。シーケンスにリンクする場合は、ショットがリンクできるシーケンスは一度に 1 つのみです。
他のヒントについては、「リリース概要」を参照してください。